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ハンドメイドルア−5


  ハンドメイドルアー作成も初めてから4年が経ちました。秋から春先までしか作らないので、それほど数は作ってないが、ちょこちょこ手順が変わってる。今回はアルミ張りのミノー。アルミ張りにすると、木目が透けないので塗装が楽。



ボール紙で型を作る


 どんな動きにしたいか、どれくらいの重さにしたいかで形は当然変わる。以前80mmのミノーを作ったんだが、アイの位置が下過ぎてロールしすぎた。またベイトでも投げられるように少し大きめにして83mmにした。河口湖ワカサギは大体こんくらいのサイズなのだ。

バルサを削る

 バルサを削る前に、使うバルサの密度を計る。失敗しないためのひと手間。完全フローティングの場合はいいが、サスペンドやスローシンキング、ぎりぎりフローティングにしようと思うとこの作業は必須。

 買ってあるバルサの幅が80mm,今回使う物の厚さが5mm、長さが83mmのミノーを作るので、80x83x5で体積が出る。で、その重さを量ると4,5g。そこから密度を出す。

8.0x8.3x0.5 = 33.2(cm3)
4,5÷33.2 = 0.136(g/cm3)

 密度を計ったら後はいつも通りに削る、まずは切り出して、両面テープで2枚合わせにし、サンドペーパーでそろえる。


その後自分の中のイメージの通り形を整えてく。軽くペーパーがけして、でこぼこがなくなったらこの行程は終わり



入れるウェイトの計算


 さー面倒臭い作業だ。さっき密度を出したのはこのため。まず、浮力を求め、フックやリップ塗装の分を引くと、サスペンド状態になるウェイトの重さが出る。これに対して浮かすか沈ませるかでプラスマイナスをする。まずは浮力を求める。

浮力を求める

 浮力を求めるには、体積がわかれば良い、水の密度が約1g/cm3だから、体積分がそのまま浮力となる。削っちゃった物の体積は計算できないが、密度がわかるものならば重さがわかればそこから体積が出せる。そのために密度をはかった。

 重さを量ってみると0.84gだった。ここから体積を求める。

0.84÷0.136 = 7.13(cm3)

 この体積が押しのけた水の重さ分の浮力が得られる。つまりルアーの総重量が7.13gまでなら浮くってこと。7gのルアーになればぎりぎり浮くルアーが出来上がるってこと。


関連パーツの重さを量る

 総重量が必要なので、バルサの本体以外のパーツの重さも量る。

パーツの重量は1.88gだった。この分の体積もあるんだが、誤差と考えよう。

ウェイトの重量算出

 パーツのウェイトとバルサのウェイト、それに周りをコーティングするセルロースセメントの重さを足した物を、先ほどの浮力から引いた重量がサスペンド状態のウェイトの重さとなる。

パーツ類総重量 0.84(本体) + 1.88(パーツ類) + 1(セルロースセメント分) = 3.72(g)
浮力 - パーツ類総重量 7.13 - 3.72 = 2.46 (g)

 つまり2.46gのウェイトを入れるとサスペンドとなる。とはいっても1gのセルロースセメント分は適当なので、ディッピングをする時に調整が必要。またはフックのサイズで微調整。今回はぎりぎりフローティング位を目指すのでウェイトは2.39gを入れる。手元にあったガン玉4b2つ分。4Bだったかな?、とにかく2つで2.39gだった。
 セルロースセメント分の1gはセルロースの濃さや、ディッピング回数にもよるので人それぞれのはず、ウレタンだともっと重くなりそう。なんかの機会にディッピングでどれだけ重さが増えるか量っておくといい。

 ちなみに、この電子秤、0.01gまで測れるが高級品ってわけではなく、楽天で2000円くらいで買った。これを買って、この辺の精度が上がった訳。


組み込み

 ここまで来たら後は普通に作るだけ。まずは先ほどのパーツ郡を組み込んで、丁寧にペーパーがけ。何度も言うが、下地作りが仕上がりを左右する。塗装のセンスとかは別としてね。ここまで出来たら、5、6回ディッピイングする。ディッピング1回ごとに軽くペーパーがけするとなお良い。

 組み込む直前の写真忘れちゃった。。ウェイトは腹のフックをかけるところの後ろ側に入れてある。まっすぐに浮かばせておきたいので、前後にオフセットはしてない。浮力の重心になるところの腹側。まぁ、一番膨らんでいるところの腹側かな。お尻側に入れると、トゥイッチした時にダイブするような感じに、頭側にいれると・・やったことないや。ウォブリング量が増えるかな?。TDミノーはお尻側が下がって浮いてたような気がする。



アルミの張り付け


 一次ディッピングが済んだら、アルミを貼付ける。アルミは普通の家庭用アルミホイル。

 適当にアルミホイルを切って、ヤスリの目の上でこする。色々な目があるので好きな模様にする。ぽつぽつがあるものや線しか入らないものなど色々ある。ここでのこつは何度も裏表を入れ替えてこすって、多くしわを付けること。縮みが大きければそれだけルアーにフィットし易くなる。大体10回くらいやってるかな。

 しわを付け終わったら、最初に作った型を使って1,2mm大きめに切り抜く。このミノーだと頭とお尻は1mm程度大きめに腹、背の部分は2mmくらい大きめになるように切り抜く。
 切り抜いたら、ティッシュでルアーに慣らし、リターダーで貼付ける。この辺は動画じゃないとわからん。youtubeかなんかで探してくれ。

 張り付け終わるとこんな感じ。ここで2回目のディッピング。ここではアルミ箔の段差がなくなるまで、4回くらいかな?。背と腹をペーパーがけしながらディッピングすると綺麗になる。1回ディッピングしたら目玉が入るところをくり抜いておく。

またまた一気に完成

 あとは色塗ってリップとか付けるだけだから・・・。そうそう最近はFRPのリップを使ってる。理由は万能ハサミで切れるし、割れにくいからだ。PETやポリカーボネイトだとプラスチックカッターを使わないと割れちゃうし、めんどくさい。市販品でも使われるのが増えてきてるよね。自分は0.8mmをつかっているけど、市販品をみるともっと薄いね。薄い方が水カミがよく、いい動きをするらしい。今のストックがなくなったら、もうちょっと薄くしてみよう。

 んで、調整だけど、少し軽めに作って、サスペンドにしたいなら、1)リップ、フックを付けて浮かべてみる→2)外してディッピングを繰り返して、サスペンドまで持っていく。ディッピングとともに体積が増えつつ重さも増える以上、計算ではどうにもならん。ひたすら繰り返して調整する。そこまでしても、水温、気温が変われば完全なサスペンドにはならない。比重をぴったり1に出来たとしても、空気中で保存していると、水の中にいれると密度が変わってしまう。同じ水でも密度の少ない冷水は沈み、密度のの大きい温水は浮くのである。後は、状況に応じて、巻き重りなんかで調整するしかない。その手間は面倒だが、ぴったり水中で止まることで取れる魚もきっといる!。と信じたい。


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